雫石・後書き

「黎玖撫教」というものを取り上げてみました。
双世教の人の目から見て、どういう風に見えるのか。
特に神殿の側に住んでいる人たちにとっては、単なる「違う宗教」ではすまされない問題で、彼らの苦しみと言うのを書いてみたくなりました。
一章で取り上げた「医者」の問題をもう少し書きたかったというのもあります。
あ、ちなみに村が疫病にかかった時点ではまだ鳳蓮はいませんでした。
いたら、きっと神殿が何を言っても村を救いに行ったでしょうからね(笑)
医者は不可侵の掟にはひっかからないので、その点も大丈夫なんです。

他の話とあきらかに違うのが、一人称なトコロ。
茜莉視点は、黎玖撫教としての目が欲しかったから彼女にさせていただきました。
ちょっと……というか、かなりぶっとんだ一人称のところもありますけどね^^;
鍵となった人物は、もちろん遊芽です。
文中で6歳とありますが……精神的にけっこう大人になってしまいました。
いや、子供の純粋さからきているのか?……だとしたら、良いのですが。
お日様のような笑顔を思い浮かべながら彼を書いていました。
子供を書くのは好きです。癒されますー。
茜莉が彼に救われたように、彼もまた茜莉によって救われたのでしょう。

裏話として、始めプロットを立ち上げた時、遊芽は最後死ぬ予定でした。
これとは全然違う話で、不治の病の遊芽を巫女の『力』ですら助けることができずに、茜莉が苦悩する話でした。
……なんで、こんなに変更になったのか。
まぁ、よくあることです(ほんとか?)

ということで、間章「雫石」は終わりです。
ここまで、読んでいただき有難うございました。


                                        ――――――ceylon
(2004.2.19)

Novel







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