<二章/地の故郷>







夢を見ていました。



それはいつも微笑みに包まれた優しいものでした。

決して豊かな暮らしではなかったけれど毎日がとても幸せでかけがえのないものでした。

わたしは楽しくて、切なくて、泣いてしまいました。

わたしが泣いていると、いつも小さな弟がやってきてやさしく慰めてくれます。

かけがえのない家族。

たいせつな、おとうと。

いつまでも一緒にいられると思っていました………。













あの日。

ある寒い日のこと。

わたしたちの生活は一転してしまいました。

たった一人の家族であった弟と引き離されてしまったのです。

悲しくて寂しくて、毎日泣いて暮らしていました。

もう慰めてくれる優しい手はないのです。

でも何より気がかりだったのが、弟は元気にやっているのかでした。

だいすきな、おとうと。

元気でいることを祈っています。



夢を、みました………。









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