生まれ落ちた世界、蓬呂(ホウロ)

産声をあげたばかりの世界は、息を吹きかければ
儚く崩れていってしまいそうに頼りないものであり、
ゆらゆらと陽炎のように揺らめきながらかろうじてその姿を保っていた




そして、世界の中心

純白の花々が咲き乱れる神聖な庭園に、神々はいた





光を創造せし、ロロス

闇を創造せし、ケザ

生命を創造せし、リクナ






ロロス―――対となる双子神ケザの兄神

司るは、光
秩序と法の象徴であり、審判者を意味する
性格はいたって温和で争いを好まない



ケザ―――双子神の片割れ、妹神にあたる

司るは、闇
混沌と変化の象徴で、探求者を意味する
性格はきまぐれで掴み所がない





兄妹神である二神は完璧な対となり、『調和』を意味する

兄が光なら、妹は闇
兄が水なら、妹は炎
兄が大地なら、妹は風

表と裏を意味する似てて否なる二神……





そして、その表裏を超えたもの……生命体




リクナ―――生命を創りだした神

司るは、命
無性の神であることから、永遠を象徴し、『ただ一つのもの』を意味する
性格は優しさと残忍さをあわせもつ二面性のある神である













『世界』を創った三神は、はじめこそ仲良かった

やがてささいなすれ違いから、兄妹神とリクナ神は互いに離れていった

いつしか、憎むようになった

戦いを、始めるほどに




―――以来、その戦いは続けられているという







『双世教聖書・第一章「創世」より抜粋』






BackNovelNext

55 STREET / 0574 W.S.R / STRAWBERRY7 / アレコレネット / モノショップ / ミツケルドット